学校(特に医療系)に進学するとき、「感染症予防対策としてのワクチン接種」についての証明書類が必要になることがあります。
多くは「環境感染学会」が発行している『医療関係者のためのワクチンガイドライン』を基にしているようですが、現在このガイドラインは2020年に第3版が発行されているにもかかわらず、旧版とくに2009年発行の第1版の内容のままの対応をしている学校が少なくありません。
この第1版は、環境感染学会自体が第2版発行時にわざわざ序に「説明が不十分であったことから、抗体価の基準を満たすまで接種を受け続けなければならないという誤解が生じたこと、最近3年間に抗体測定をしたことがありますか?という質問からチャートを始めたことから、3年毎に抗体測定をするという誤解に繋がったことが反省点としてあげられた。」と書かねばならなかったほどの問題を生じた表現だったため、それを基にした学校では未だに「必ず抗体価を検査し、抗体価が低い場合はワクチンを接種すること」を要求する書類を使用しています。
第2版を経て、現在の第3版ではフローチャートの始まりを「2回のワクチン接種歴の確認」とし、不足していれば合計2回になるようにワクチン接種をすること、抗体価の測定は過去の感染等でワクチン未接種の人が対象、とハッキリ記載しています。
一日も早く全ての学校がこの第3版のフローチャートを基に感染予防対策を行ってほしいものです。