つれづれ


大人でも百日咳の予防接種が可能です

投稿日時:2025/04/11 13:45


このところ百日咳が大流行していて、特に通常使用する抗菌剤に耐性のある菌株が増えていて治療に難渋するケースが多くなっていることや、赤ちゃんが感染して死亡するという痛ましいニュースを目にした方も少なくないと思います。
百日咳は、百日咳菌という細菌が感染し、菌が産生する毒素により起こる病気です。
一度罹っても終生免疫ができることは無いため、生涯にわたって何度も感染する可能性がありますが、1歳以下の乳児、特に生後6カ月以下では死に至る危険性も高いとされています。
妊娠中に胎盤を通じて母体から抗体が胎児に移行しますが、成人の抗体価自体があまり高くないために十分な免疫効果が期待できないことも大きな問題です。
百日咳に対するワクチンは、昔はDPT三種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)が用いられていましたが、その後はポリオを含めた四種混合、さらにヒブ(インフルエンザ菌b型)を含めた5種混合が用いられ、乳児期(0歳)に初回3回、1歳時に追加1回の接種が定期化(法律による接種)になっています。
ただ、このワクチンの効果の持続期間が比較的短いため(おそらく数年程度)、小学校以上の年齢では感染防止が難しいのが大きな問題となっています。
そのため世界的には幼児期や学童期、また成人になってからも追加接種をしている国もあります。
日本でも、小児科医などを中心に、5歳時の追加接種や、11-13歳時に受けるDT二種混合の代りに三種混合を用いること、妊婦さんに接種をして赤ちゃんへの移行抗体を増やすことなどが提唱されていますが、様々な(主には費用や副反応への補償)理由から国に採用されていないのが現状です。
そのため任意(自費)接種にはなりますが、昔から使われているDPT三種混合が年齢の上限無く使用することが可能で、成人や妊婦さんへの接種の効果や一定の安全性も日本国内でのデータが発表されていますので、皆さん是非ご検討ください。



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