つれづれ


全国的に麻疹の発生が続いています

投稿日時:2025/03/18 11:52


麻疹はワクチンで予防可能な疾患で、日本は2015年にWHOから排除状態にあることが認定されましたが、このこところ海外(特にベトナム)からの帰国者を発端とする麻疹の発生が相次いでいます。
発症者の大部分は麻疹ワクチン未接種や接種歴不明ですが、なかには2回接種したにも関わらず発症したケースも出てきています。

麻疹の感染形式は空気感染のため同じ空間(室内・車内など)に居るだけで感染する上に、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症します。
発症した人が周囲に感染させる期間は、症状が出現する1日前(発疹出現の3~5日前)から発疹出現後4~5日目くらいまでで、感染後10~12日間の潜伏期後に発熱や咳などのカゼ症状で発症します。
一旦解熱した後に再発熱し、それと同時に全身に発疹が出てくるのが特徴です。
肺炎や中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症し、死亡率は先進国であっても1,000人に1人と言われています。
合併症がなければ7~10日後には症状は回復しますが、リンパ球機能などの免疫力が低下するため他の感染症に罹ると重症になりやすく、また体力等が戻るには1ヶ月位を要することが珍しくありません。

予防はワクチンの2回接種(1歳児と5年後の年長児)ですが、1回だけだと時間経過とともに免疫力が低下する(10年程度は有効と考えられている)可能性があるため、2回目は余裕をもって確実に接種できる5年後の年長児に設定しています。
現在MR(麻疹風疹)ワクチンの供給が難しくなっているため、むつ市では免疫の無い1歳児(1期)を優先対象とし、2期(年長)については供給が安定した後に接種することになりましたが、慌てずにお待ちください。



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