新型コロナ感染症が5/8から5類になり、それと同時に感染者・濃厚接触者への公的な行動制限が無くなりました。
厚生労働省は「発症後10日間はウイルス排出の可能性があり、特に5日間までは排出量が多い」ことから「発症日を0日として5日間は外出を控え、10日間はマスクの着用を」と呼び掛けていますが、あくまでも「お願い」で強制力はありません。
また学校に関しては、学校保健安全法で「発症日を0日として5日間、かつ解熱後1日が経過するまで」の出校停止措置が適用されますが、あくまで登校できないということであって、学校外での生活について制限をするものではありません。
こうしたことから、「新型コロナはただのカゼになったのでマスクは不要」「感染していても症状が無かったり、軽かったりなので医療機関を受診しない」「症状が軽いので検査を行う必要はない」「感染が確認されても、症状が軽いので仕事を休まない(休めない)」「5日間が経てば感染の恐れが無いのでマスクは不要」など様々な問題のある(必ずしも誤っているとは言えない場合も含め)対応がなされているのが現状です。
確かに新型コロナ感染症の直接生命を脅かすような重症肺炎は少なくなりましたが、呼吸器以外の合併症や遷延する後遺症などが少なくはないことも事実です。
また5/8以降は感染予防行動がゆるゆるになったことで、集団活動(たとえば運動会、修学旅行など)で以前ならクラスターとされていたような新型コロナの発生がみられる、2020年からずっと発生が抑えられていたインフルエンザやアデノウイルス、RSウイルス、ヘルパンギーナなどの様々な感染症の爆発的流行がみられるなど、大きな問題が生じていると言わざるを得ません。
「マスクの着用は個人の判断」というのは、着用したくない人はしなくていいではなく、「着用の必要性がある場面かどうかを個々人が責任をもって判断してください」ということです。
お勧めするマスク着用場面は、
●換気の悪い空間(室内・乗り物など)にいる時
●長時間にわたって他者と同一空間にいる時
●屋内・屋外に関わらず近距離で他者と会話する時
●医療機関や介護施設など、感染によるリスクの高い人がいる場所に行く時
などです。
自分の身を守るためにも、自分の家族や大切な人たちを守るためにも、今後も予防対策をしっかり継続しましょう。